第17回 日本臨床医学リスクマネジメント学会・学術集会 第17回 日本臨床医学リスクマネジメント学会・学術集会

会長挨拶 Greetings

Midori Matsuzuki

第17回日本臨床医学リスクマネジメント学会・学術集会

会長 松月 みどり
(東京医療保険大学・和歌山看護学部・看護学科 教授)

 日本の医療の安全を守り質向上を計ることは、普通の国民生活のしあわせには重要な基盤であります。 しかし、医療費は膨らむ一方であり、医療費の抑制と質保証・質向上はときには、相反するジレンマがあります。 厚生労働省は地域包括ケアシステム、診療報酬などで効率化を図ろうとしています。急性期病院や企業では優れた(医療)安全対策を「日々」実施しております。 しかし地域包括ケアの仕組みの中では、まだまだ課題があります。医療安全管理の蓄積したノウハウを広く普及させることも大切です。
 一方、働き方改革は企業の残業にも厳しく目を向け、医師の労働にも手を付け、労働基準法を適応すると明言しております。 医療を提供側である私たちは今後ますます、効率的な戦略を求められています。
 そして、医療安全管理の領域では、もう一つの課題があります。日本は地震大国であり、大きな地震がいつ日本列島を揺らしても備えなければなりません。 ハワイ島やグァテマラの火山の大噴火は大きな被害が報道されております。国際支援も含めて、医療機関及び企業は、努力を重ねてきました。 DMATの整備など発災後の体制整備は大震災以後、格段に充実しています。
 一方、大規模な防災対策では、被害を最小限に抑えるために地震発生予測によって、事前避難のシステムに移行しつつあります。 地震発災後の迅速な活動と、地震発生予測の連携は、まだ十分とは言えません。
 そこで、第17回日本臨床医学マネジメント学会のテーマは、東南海沖地震が発生すると大津波が予測されている和歌山の地で開催するにあたって、 「地域包括ケアとsafety management 日々と備えと」といたしました。
 医療機関が単独で備えることには限界があります。医療を越えて多職種のみなさまにお集まりいただき、 未来に価値ある議論ができたらと考えております。みなさまのご参加を心からお待ちしております。



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